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「ラッカは静かに虐殺されている」東京は?

「ラッカは静かに虐殺されている」(原題:CITY OF GHOSTS)を先日見た。ISによってメディア統制されたラッカの惨状を文字通り命がけで伝える草の根ジャーナリストグループRBSS(Raqqa is Being Slaughtered Silently.)のドキュメンタリー。 http://www.uplink.co.jp/raqqa/   絶え間ない殺害予告、身内が処刑される動画の公開にも関わらず、暴力による恐怖とプロパガンダを拠り所するISに対して、断固として屈せずに戦いぬいてゆく。     終盤、主宰者の1人が、 「我々はみなさんと同じく故郷を愛し家族と幸せに暮らしたいと願う普通の人間で、止むに止まれず、このような活動に身を投じるに至っているのだ」といったことを話す。家族との海外脱出や仲間との再会場面、ひとときの和やかな場面でも、それがよくわかる。  その後、彼が一人になったところで「実は写真を持っているんだよね」と殺されていった仲間の写真を並べながら「なぜ自分ではなくて、彼らだったのかと考えてしまうんだ」と言ってタバコに火をつける。手が震えてきて、収まらなくなってくる。観ているこちらもぐらぐらと眩暈がしてくる。   IS側の論理は極端だが、見慣れたものだ。権力をどう掌握するかに焦点を絞り、強い者に従った方が得だという恐怖政治。いじめ、DV、洗脳による集団の統率。子供達が兵士として教育されて、反逆者の大人達を処刑している場面は、とてもやるせない。  RBSSメンバーにも、子供が生まれる。「子供にもっとよい世界を」という願いは万人のものだが、彼のその思いは一層深く、どんな脅しにも屈しない思いと表裏一体なのだろうと感じる。   終演後、暫し呆然とした面持ちで、Uplink渋谷からの繁華街の帰路。RBSSに対して、何だろうこの平和すぎて弛緩しているような感覚は、と誰にも頼まれてないコピーを考える。TBPS(Tokyo is Being Paralysed Silently)とか。 翌朝の明け方、半分眠って半分起きている状態で、「なぜ自分ではなかったのか」というセリフが反芻される。この映画は自分の中に、何か静かな怒りのCoreを再認識させたように感じる。ま、基本Paralysedな日常なんですけどね。 そういえば、配給はAmazon Studioでちょっと以外に感