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楢山節考と漫⭐︎画太郎、深沢七郎と三上寛

楢山節考を読んだ。

無善寺で三上寛さんの「夏はいやだよ 道が悪い むかで ながむし 山かがし、、」という語りに衝撃を受けて、いつか読まなければと思っていた。寛さん経由で興味を喚起したこと、寒村、姥捨伝説というキーワードから、これは東北の逸話で、すごく暗くて重い純文学なんだろうと思っていた。

 読み始めてみると、なんだか軽妙感があり、方言に覚えがある。深沢七郎さんの来歴見たら、山梨県出身!?やっぱり甲州弁じゃん。自分、実家山梨で深沢姓の親戚もいるので、もしかしたら、何か繋がりあるかもしれない。しかも元々はエルビス・プレスリーが大好きなギター弾き!?想定していた感じとだいぶ違う。

 話は自主的に楢山に行くまでのおりんさんとその一家のエピソードが描かれているのですが、いやらしい程のエゴイズムと崇高なまでの優しさが渾然となっており、グロテスクでエロくてスラップスティクなこの世界観は、自分的には完全に漫⭐︎画太郎!?おりんさん(ババア)、優しい息子の辰平とその妻の玉やん、バカ孫のけさ吉とその妻の意地汚い松やん、全てあのグロテスクかつハートウォーミングなタッチで脳内再生される。漫⭐︎画太郎は、星の王子さまとかもカバーしてるんだから、なぜこれをやらないのかと思ったけど、むしろ画太郎の最高な部分が結晶化され、逆ベクトルに純度が高いので、パロディしようがないかも。「漫⭐︎画太郎 楢山節考」でググっても何も出てこないけど、もしかしたら薫香を得ているのではと。あと、Wikiを読んだら、三島由紀夫のコメントがしっくり来た。

また、寛さんと深沢さんの馴れ初めを調べたら、寛さんの素敵なエピソードの文章を見つけた。下記部分、特に好き。

『ギターがあるのだから、君も歌ってみなさいとうながされ「東京だよおっ母さん」を歌うと、突然泣き出した。涙はあふれてきて、テーブルの台布巾で何度も顔をふいた。』

ついでに、寛さんのロングインタビューも見つけて読んだ。本質を捉えた名言続出で、目から鱗でした。勢いあまって「負ける時もあるだろう」をメルカリで買った。というわけで、深沢七郎と三上寛は最高なので、今後もCheckしていこうと思う。

※おまけ
楢山節考の中には、深沢さん作曲の歌が複数出てくるので、YouTube検索して聴いた。関連動画に「TOM CAT - ふられ気分Rock‘n Roll」がなぜあるのか?やっぱり、本質はRock‘n Rollってことかな!?












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